「ChatGPTって、質問すれば何でも答えてくれるんでしょ?」
そんなふうに思って使っている人は多いかもしれません。
たしかに、ChatGPTはどんな質問にも答えてくれます。でも実は、それが「正しいかどうか」は別の話です。とにかくそれっぽい回答を返してくるのが特徴なんです。だから、「なんかズレた回答が返ってきたな…」と感じたことがある人もいるのではないでしょうか?
それには理由があります。実はChatGPTには、ちょっとした“クセ”があるんです。
まずはそのクセを知ることが、ChatGPTをうまく使いこなす第一歩です。
ChatGPTが得意とする「考え方のクセ」

ChatGPTは「平均的な答え」を作るのが得意です。
なぜなら、ChatGPTは大量の文章を学習して、多くの人が言いそうなことを“平均的に”まとめて答えるしくみになっているからです。
たとえば、「むかしむかしあるところに」の続きを書いてと指示すれば、「おじいさんとおばあさんが住んでいました」といった続きを自然に返してきます。
これはとても便利な反面、「自分にピッタリな答え」ではないこともあります。
ただし、この“平均的な答え”をうまく活用する方法もあります。
たとえば、自分の意見と組み合わせて「考えを深めるヒント」として使ったり、みんながどう考えているかを知る材料にすることができます。
もう一つ、重要なポイントがあります。
それは、ChatGPTは「続きを考える」のが得意だということです。
どういうことかというと、ChatGPTは前の文章に続く、もっともらしい次の言葉をつくることがとても得意なんです。
たとえば、「物語の序章の文章を渡すので、その続きを書いて」と指示すれば、その世界観に沿った文章を返してくれます。
つまり、ChatGPTは「前提」をもとに続きを考える力に長けているということです。
だからこそ、はじめに状況や目的など“前提”をしっかり伝えてあげると、より的確で意味のある回答を返してくれます。
逆に言えば、前提や目的があいまいだと、「ふわっとした、ズレた答え」になってしまうこともあるのですね。
ChatGPTの回答精度を上げるコツ

では、どうすればもっとピンポイントな、自分にとってズレのない答えが返ってくるのでしょうか?コツはとてもシンプルです。
前提をはっきり書く
「前提条件」を先に入れるようにしましょう。
なぜなら、ChatGPTは、自分で状況を想像することができないからです。
たとえば、ただ「おすすめの服を教えて」と聞くと、季節も年齢も場所も性別も関係なく、とにかく“平均的な服”を提案してきます。
でも、「中学生で、今は5月。東京に住んでいて、部活帰りに友達と遊びに行くときに着る服が知りたい」と書けば、答えの精度はグッと上がります。
何をして欲しいのかをしっかり伝える
ChatGPTは、お願いされないと何をすればいいかわかりません。
「これについてどう思う?」ではなく、「○○について、3つのポイントに分けて説明して」と書いた方が、明確な答えが返ってきます。
たとえば:
- 「読書感想文の例を書いて」ではなく、
- 「中学生が書く、夏目漱石の『坊っちゃん』についての読書感想文(400字程度)を書いて」
- 「環境問題について課題を説明して」ではなく、
- 「中学生でもわかるように、環境問題について短く説明して。そして、個人的意見として“リサイクルは思ったより面倒だと感じている”という考えをどうフォローできるかも教えて」
といったように頼むと、一般的な説明(=平均的な答え)と、自分の考えをうまくつなげたアドバイスを返してくれます。
問いの力を借りる

ChatGPTにうまく答えてもらうコツのひとつは、「問い」をしっかり投げかけることです。
指示文に「なぜ知りたいのか」「何を知りたいのか」理由を添えることで、より自分にフィットした回答を引き出す確率が高まります。
たとえば、
- 「スマホ依存について意見がほしい」ではなく、
- 「自分がスマホを使いすぎていると感じていて改善したい。すぐにできそうなスマホ依存対策を3つ、理由つきで教えて」
といった情報を伝えることで、ChatGPTはより深く、的確に答えてくれるようになります。
そしてこの「問いを立てる習慣」は、ChatGPTを使うときだけでなく、自分自身の考えを整理する力にもつながります。
「そもそも自分は何に困っていて、何を知りたいのか?」と考えるだけでも、モヤモヤしていた思考がクリアになったり、意外な視点に気づけたりするのです。
つまり、ChatGPTへの問いの工夫が、自分の思考力を広げるトレーニングにもなる。
まさに一石二鳥の効果があると言えると思います。
まとめ
ChatGPTは、とても便利なツールですが、その特性やクセを理解して使うことで、もっと自分に合った回答を引き出せるようになります。
特に大切なのは、前提をしっかり伝えることと、何をどうしてほしいのかを明確にすること。この2つを意識するだけで、答えの精度がぐっと上がり、自身の思考整理に役立ちます。
まずは日常の中で、少しずつ始めてみませんか?一緒にAIを使いこなしていきましょう!