
ねえねえ、由美さん!最近のAIってどんどん進化してるって聞くけど、『蒸留』って技術がすごいらしいんだ!これってどういうこと?

あら、カワウソくん、いいところに目をつけたわね!

『蒸留(distillation)』っていうのはね、簡単に言うと“大きくて賢いAIの知識を、小さくて効率のいいAIに移す”技術なのよ。

AIって普通、自分でコツコツ勉強して賢くなるんじゃないの?

もちろん、それもあるわよ。

でもね、高性能なAIってすごく計算が大変で、動かすのにもたくさんのコンピュータが必要なの。

電気代だってバカにならないし、大企業じゃないと扱えないくらいコストがかかるのよ。

そんなに大変なんだ!?でも、それが『蒸留』でどう変わるの?

たとえば、カワウソくんがすごく勉強が得意だとして、私が初心者だとするじゃない?

でも、カワウソくんが勉強したことをわかりやすく教えてくれたら、私も短時間で賢くなれるでしょ?

つまり、先生が生徒に教えるみたいな感じ?

まさにその通りよ!高性能なAIを“先生”、新しいAIを“生徒”にして、先生AIの知識を効率よく教えてあげるの。

それによって、生徒AIは自分でゼロから学ぶよりも、ずっと短い時間で優秀になれるのよ。

先生の知識を吸収すれば、短時間で賢くなれるってことだよね?

そうなの!特に今は、大規模なAIモデルを作るのがすごく大変だから、『蒸留』の技術が注目されてるのよ。

たとえばね、中国のスタートアップ『DeepSeek』っていう会社があるんだけど、彼らはOpenAIのChatGPTにたくさん質問をして、その答えを活用して独自のAIを訓練したのよ。

簡単に言えば、大規模なAIが持ってる知識を上手に抽出して、それを小型のAIに教え込むってことね。

こうすることで、開発コストがグッと下がるし、AIのトレーニング時間も短縮できるの。

それってすごくない!?小さなAIでも、大きなAIみたいに賢くなれるってことだよね?

しかも、小さいAIのほうが計算量が少なくて済むから、スマホや小型デバイスでも使える可能性が高くなるの。

たとえば、将来的にはスマートフォンに搭載されたAIが、クラウドに頼らなくてもすごく賢くなるかもしれないわね。

じゃあ、将来はスマホのAIが、ChatGPTみたいにしゃべれるようになるの!?しかも、ネットにつながなくても!

そうね。『蒸留』技術が進めば、そんな未来も夢じゃないわ。

今のAIって、基本的にデータセンターで動いてるんだけど、もっと小型化されたら、どこでも高性能なAIを使えるようになるかもしれないわよ。

うわー、それってめっちゃワクワクするね!

でも、ちょっと気になったんだけど、これって倫理的に問題になったりしないの?

鋭いわね、カワウソくん!

実は、OpenAIの利用規約では、ChatGPTの出力を使ってAIを蒸留することは禁止されているの。

だから、DeepSeekの手法が倫理的・法的に問題になり得るという指摘もあるのよ。

そんなにすごい技術なのに、ルール違反になっちゃうこともあるんだ?

そうなの。AIの知識を引き継ぐのは効率的な手法だけど、元のAIを作った企業の許可なくデータを流用するのは、知的財産の問題に関わることもあるわね。

だから、今後は技術だけじゃなくて、倫理や法律のルール作りも重要になってくると思うわ。

なるほど!技術だけじゃなくて、ちゃんとルールを守ることも大事なんだね!

よーし、僕もAIについてもっと勉強してみようっと!
出典:Did DeepSeek Copy Off Of OpenAI? And What Is Distillation?
出典:Unpacking DeepSeek: Distillation, ethics and national security